iPhoneのバッテリーは家庭で廃棄できる?安全に処分する方法とは

iPhoneのバッテリー交換をした際、それまで使っていた古いバッテリーの処分に困る人は多いのではないでしょうか。iPhoneに使われているバッテリーは、他の電池と同じように処分することはできません。安全に配慮して適切に処分することが求められます。この記事では、古いiPhoneのバッテリーの扱い方や安全に処分する方法などについて解説していきます。

iPhoneに使われるバッテリーの特徴

iPhoneをはじめ、多くのスマートフォンにはリチウムイオンバッテリーが内蔵されています。リチウムイオンバッテリーを構成しているのは、プラス極とマイナス極、そして電解質です。リチウムイオンがプラス極とマイナス極を移動することで充放電が行われ、それがエネルギーとなります。リチウムイオンバッテリーは寿命が長いだけでなく、電圧が高く、エネルギーの密度が高い点がメリットです。しかし、その一方で危険な面も持っています。リチウムイオンバッテリーはエネルギー密度が高いゆえにデリケートなため、扱いには注意が必要です。

扱いや処分方法を誤ると火災や爆発の危険がある

前述したように、リチウムイオンバッテリーは繊細で、扱い方によっては危険をともなう場合があります。もっとも気をつけたいのは、間違った扱いによって引き起こされる発火や爆発です。例えば、バッテリーそのものが破損しているのを気づかずに使っていたり過充電を行ったりすると、火災を引き起こす恐れが出てきます。保管場所にも注意が必要です。高温多湿の場所は、リチウムイオンバッテリーに向いていません。湿度や温度が高い場所での保管や使用は、火災の原因となる可能性が高まります。

さらに注意しなければならないのは、古くなったリチウムイオンバッテリーの処分方法です。過去には、ゴミ収集車の火災といった被害の報告もあります。これは、使わなくなったリチウムイオンバッテリーの誤った処分方法が原因になっています。リチウムイオンバッテリーは便利な反面、扱いを間違えると非常に危険です。適切に使用すると同時に、古くなったバッテリーは処分を行うまで高温多湿になる場所を避け、衝撃を与えないよう保管しましょう。

iPhoneのバッテリーは可燃ゴミや不燃ゴミに出せる?

小型家電やリモコンなどで使われている一般的な電池については、不燃ゴミとして回収する自治体は多いものです。実際には自治体ごとに回収する条件や出し方は異なるものの、家庭ゴミとして回収できるケースがほとんどといえるでしょう。そのため、iPhoneで使われているバッテリーも電池同様に不燃ゴミとして処分できると誤解されがちです。実は、iPhoneのバッテリーは不燃ゴミとして出すことはできません。

説明したように、iPhoneで使われているのはリチウムイオンバッテリーです。可燃ゴミはもちろんのこと、不燃ゴミとしても捨てられないことになっています。つまり、iPhoneのバッテリーは家庭ゴミとして扱えないということです。リチウムイオンバッテリーは圧力に弱く、破壊によって発火します。そのため、ゴミ収集車の中で圧力を加えられると発火しやすいのです。実際に、不燃ゴミとして廃棄されたスマートフォンが、ゴミ収集車での処理中にバッテリーが破損し、火災が発生したこともあります。

iPhoneのバッテリーを廃棄する方法

リチウムイオンバッテリーは、正しく処分しなければなりません。適切に廃棄するには、「産廃排出協力店」に持っていくという方法があります。例えば家電量販店やホームセンターなどが「産廃排出協力店」になっています。店舗に専用の回収ボックスが設けられていることもあるため、適切に廃棄しましょう。わかりにくい場合は、店舗に直接確認すると安心できます。

しかし、ここで注意したいのは自分でiPhoneから外したバッテリーについては回収対象から外されていることです。リチウムイオンバッテリーは扱いによっては危険をともなうため、ルールを守らず勝手に回収ボックスに入れてはいけません。「産廃排出協力店」の回収対象にはなっていませんが、自治体によっては処分方法を提案してくれる場合もあります。例えば、役所の窓口で回収に応じてくれるなど、何らかの措置をとってくれる自治体もあるため、まずは問い合わせてみるといいでしょう。

iPhoneのバッテリーを廃棄するときの注意点

では、iPhoneから取り出したリチウムイオンバッテリーの適切な廃棄方法と注意点について紹介していきます。

事前に処分方法を確認しておく

まず、もっとも重要なのは、あらかじめ処分方法を確認しておくことです。iPhone本体なら、バッテリーが入ったままの状態でApple Storeやキャリアショップで回収してもらうことはできます。しかし、iPhoneから自分で取り出したバッテリーについては、対象外として扱われるのが一般的です。Apple製品は、正規の窓口以外で内部を開けた場合はサポートの対象から外れることになります。

そのような理由もあり、自分で取り出したバッテリーは回収対象から外れると考えるのが妥当でしょう。iPhone用のバッテリーは自治体で回収してくれる場合もありますが、実際の処分方法については異なります。そのため、自分が住む自治体にあらかじめ処分方法を確認しておくことが大切です。もしも自分で交換することを考えて新しいバッテリーを購入するときは、古いバッテリーの回収サービスがあるかどうか確認しておくと悩まずに済みます。

分解しない

説明してきたように、リチウムイオンバッテリー自体が非常にデリケートであり、きちんと廃棄できるまで注意して扱わなければなりません。湿度や温度にも注意をはらうのはもちろんですが、もっとも気をつけておきたいのは圧力を加えることです。iPhoneから取り出したバッテリーを破損させることがあれば、発火しやすい状況が作られます。そして、火災につながる恐れも出てきます。

危険な事態を回避するには、iPhoneから取り出したバッテリーを決して分解しないことです。不要な分解を避けるだけでなく、鋭利なもので叩いたり突き刺したりすることもしてはいけません。使わなくなったiPhoneのバッテリーは、処分が完了するまで適切に保管しておくことが重要です。

絶縁処理をする

iPhoneから取り出した後は、絶縁処理をしておくことも忘れてはいけません。リチウムイオンバッテリーの出力端子が露出した状態になっていると、ショートする恐れがあるためです。ショートによって発火すれば、火災が発生するなどの危険をともないます。このような事故は、いつどのようなタイミングで起こるかわかりません。自宅での保管中に起こることもあります。夜間や留守中など気づきにくいタイミングで発火すれば大惨事につながることもあるでしょう。絶縁には、市販の絶縁テープを使います。出力端子が露出しないよう、絶縁テープをしっかり巻いてから廃棄します。

iPhoneを端末ごと廃棄する方法

iPhoneに入っていたバッテリーだけをそのまま処分するのは何かと制限があります。しかし、iPhoneを端末ごと廃棄するなら「小型家電」用の回収ボックスに入れても問題はありません。Apple Storeやキャリアショップでも回収は可能です。ただし、廃棄する際はバッテリー以外に個人情報についても考えた方がいいでしょう。特に、クレジットカードなど決済情報がそのままの状態で廃棄するのは危険です。

iPhoneに限らず、さまざまな個人情報を記録したスマートフォンを処分するときは、専門業者に依頼した方が安心できます。スマートフォンを処理する専門業者なら、まずバッテリーと端末をしっかり分け、そのうえで端末だけ破砕処理を行ってくれます。しかも、依頼者の目の前で行うため安心です。情報漏洩はもちろん、火災などの危険なリスクを抑えて適切に処分できます。

iPhoneのバッテリー廃棄する方法は自治体に確認しよう

iPhoneから自分で取り出したバッテリーは、回収不可として扱われることが多いのが現状です。処分に困ったときは、自治体に問い合わせて相談する必要があります。しかし、iPhoneごとそのまま廃棄したいなら、個人情報についても注意しなければなりません。安全に処分するには、スマホシュレッダーを行っている「ZAURUS」へ問い合わせてみましょう。

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