バッテリーが膨張したスマホの処分法は?膨張の原因や弊害も紹介

同じスマートフォンを長年使っていたり、以前使っていたものを処分せずに長く保管していたりすると、バッテリーが膨張することがあります。この状態になったら、速やかに処分することが必要です。そのまま使い続けたり手元で保管し続けたりするのは危険ですので、やめましょう。この記事では、バッテリーが膨張する原因や起こる可能性があるトラブル、適切な処分方法などについて解説します。

スマホのバッテリーが膨張する原因

スマートフォンに内蔵されているバッテリーはリチウムイオン電池です。リチウムイオン電池は、内部で化学反応を起こすことで電気を生じさせるもので、充電して繰り返し使える大きな利点があります。ただし、無限に使えるわけではありません。リチウムイオン電池に充電できる回数は約500回とされ、およそ1年半~2年程度で寿命がくることが一般的です。バッテリーは寿命に近づくにつれどんどん劣化していき、さまざまな症状があらわれるようになります。

たとえば、バッテリーの持ちが悪くなることは多くの人が経験しているでしょう。バッテリー消耗の急速化は、劣化に伴ってあらわれる症状の1つです。バッテリーの膨張も劣化に伴ってあらわれます。リチウムイオン電池が繰り返し使えるのは、内部で化学反応を起こし電気を生じさせているからです。この化学反応を起こす際、微量のガスが発生します。長く使っているとガスが内部に溜まることは避けられません。その溜まったガスにより、バッテリーの膨張が生じるのです。

なお、劣化以外にも「たまたま初期不良品だった」「水没させてしまった」「過充電を繰り返してしまった」といったケースもバッテリーが膨張する原因となります。

スマホのバッテリー膨張により起こりうる弊害

スマホのバッテリーが膨張した際に起こるもっともわかりやすい変化は、画面や背面ガラス、パネルの浮き上がりです。どの部位が浮き上がるかは機種によって異なります。たとえば、Androidは背面パネルが浮く傾向があり、iPhoneでは4や4Sは背面ガラス、それ以外は画面が浮くことが多いです。バッテリー膨張の問題は、単に見た目が悪くなるだけではありません。性能が落ちるためバッテリーの消耗が早く、充電してもすぐに切れやすくなります。

また、「画面が正常に表示されない」「触っていないのに勝手に作動する(ゴーストタッチ)」「タップしても反応しない」などの症状があらわれることも多いです。これは、膨らんだバッテリーが内部から液晶画面を圧迫することにより起こります。膨張が進めば液晶がつぶれ、まったく表示されなくなることもあるでしょう。本体と画面や背面に隙間ができるため、衝撃に弱くなるのも大きな問題です。軽い衝撃でヒビが入ったり割れたりしかねません。さらに、隙間から水やほこりが侵入しやすくなり、故障を招く恐れもあります。

バッテリーが膨張したスマホは火災を引き起こす可能性がある

スマホに搭載されているリチウムイオン電池は非常にデリケートなものであり、適切な使い方をすることが求められます。落下などの衝撃を与えると、正極と負極がショートしてスパークや異常発熱が起き、発火や暴発を招きかねません。また、先に述べたように、膨張したバッテリーの内部にはガスが溜まっています。このガスは可燃性の高い物質です。もちろん、各メーカーの努力によってリチウムイオン電池からは簡単にはガスが漏れない構造になっています。とはいえ、いかなるケースでも絶対に漏れないとはいえません。何らかのアクシデントによりガスが外部に漏れ、発火や暴発が起こる可能性はゼロではないのです。

このように、リチウムイオン電池の使い方を誤れば、発火や暴発を招く恐れがあります。膨張したバッテリーはすでに異常な状態のため、そのまま使い続けてはいけません。

スマホのバッテリーを長持ちさせる方法

スマホは経年で劣化することは避けられませんが、適切に使用することで長持ちさせられます。まず、過充電や過放電は避けることが大切です。過充電とは電池残量が100%になっても充電を続けることで、バッテリーの膨張を招きやすくなります。過放電とは電池残量が0%のまま長期にわたって放置することです。リチウムイオン電池には何もしなくても放電する特性があり、0%のまま放置していると負担がかかって劣化を招きます。電池残量は常に60~70%を保つよう意識すると良いでしょう。

充電が終わった後は、すぐにケーブルを抜くことが大切です。自然な放電によって充電量が下がると、すぐに再充電が行われてしまうため、劣化を進めるもとになります。また、充電しながらスマホを使用するのも負担がかかるため良くありません。適切な温度下で保管することも大切です。リチウムイオン電池は熱に弱いため、夏の閉め切った車内など高温になる場所に放置しないようにしましょう。

膨張したスマホのバッテリーを処分するときの注意点

膨張したスマホのバッテリーは、可燃ゴミの日に出して捨てることはできません。ここでは、バッテリーの処分方法や注意点について解説します。

自分で取り出したスマホのバッテリーはリサイクル不可

充電式電池は、家電量販店などに設置されている「小型充電式電池リサイクルBOX」で回収してもらえます。ただし、スマホから取り外したバッテリーは回収対象外のため、入れることはできません。これは、リサイクルBOXを設置する一般社団法人JBRCが本体回収を要件としており、分解せずに持ち込むよう定めているためです。さらに、スマートフォン自体が回収対象ではないため、バッテリーを外さずにそのまま入れることもできません。携帯ショップであればスマホの回収はしていますが、分解したバッテリーは回収対象外です。

自治体によって処分方法が異なる

外した膨張バッテリーを処分するときは、自治体に回収してもらうのがもっとも現実的です。ただし、扱いの難しいリチウムイオン電池は発火や破裂のリスクが伴うため、気軽に家庭ごみとして出してはいけません。実際に、ごみ収集車のなかでバッテリーが原因の火災が起きたこともあります。リスクを避けるためには、少なくともごみ回収業者が「バッテリーがある」とわかる状態にすることが必要です。また、自治体によって処分方法自体が異なります。

たとえば、絶縁したうえで不燃ごみとして出していいところもあれば、市役所の窓口まで持ち込めば無償で引き取ってもらえるところもあります。メーカーの販売所で取り扱っているところもあれば取り扱っていないところもあり、対応はさまざまです。廃棄前に、お住いの自治体の清掃事務所やごみ処理窓口などに問い合わせ、処分方法について確認し指示に従いましょう。

使えないスマホからもデータは取り出せる

バッテリーだけでなく、スマホそのものを処分する場合は、バックアップをとったうえで保存しているデータすべてを消す必要があります。これは、個人情報の漏洩を防ぐためです。バッテリーの膨張によって完全に壊れて起動できないケースでも安心はできません。データ復旧サービスなどを利用すれば、データを取り出せる可能性があるからです。スマホを不用意に捨てて、仮に悪意ある第三者に拾われてしまった場合、重要な個人情報を取り出されて悪用される恐れがあります。被害にあわないためにも、スマホを処分する際は慎重にしなければなりません。

使わないスマホを安全に処分する方法

iPhoneをはじめとするフラッシュメモリが入ったスマホは、内部に保存したデータを消去したり初期化してリセットしたりしても、完全に消えたわけではありません。なぜなら、メモリの隠し領域にデータが残っている可能性があるからです。データを取り出され復元されてしまうリスクを避けるためには、適切な方法で廃棄する必要があります。もっとも安全な処分方法は、膨張したバッテリーを外したあと、もとに戻せないサイズまで物理的に破砕することです。スマホ自体を細かく破壊してしまえばどうやってもデータを復元できなくなるため、情報漏洩の心配がありません。

バッテリーが膨張したスマホを安全に処分しよう

スマホのバッテリーは、劣化をはじめさまざまな原因で膨張することがあります。膨張したバッテリーは発火や破裂の恐れがあり、非常に危険です。そのまま使い続けず、速やかに処分しましょう。安全に廃棄するなら、スマホシュレッダーZAURUSの利用がおすすめです。スマホを物理的に破砕でき、個人情報が流出する心配もありません。物理破壊は総務省も推奨するスマホの処分方法です。気になる人は問い合わせてみましょう。