スマホのレアメタル・レアアースはどこ?使われている金属を解説

スマホの中には、コバルトやタンタル、インジウムなどのレアメタルと、ネオジムなどのレアアースが使われています。「小さなスマホのどこに入っているの?」「金や銅もレアメタルなの?」と疑問に思う方もいるでしょう。

スマホのレアメタルは、主にバッテリー、基板、電子部品、ディスプレイに使われています。レアアースの主な用途は、スピーカーや振動装置などに組み込まれる小型磁石です。一方、金・銀は貴金属、銅・鉄・アルミニウムはベースメタルに分類されます。なお、分類は完全に排他的ではなく、貴金属であるパラジウムは、日本の資源政策では白金族としてレアメタルにも含まれます。

この記事では、スマホに使われている金属を部品別に整理し、レアメタルとレアアースの違い、スマホ1台に含まれる金の量、使い終えた端末を安全に再資源化する方法までわかりやすく解説します。

スマホのレアメタル・レアアースはどこに使われている?

スマホは、表示、通信、撮影、音声、振動、充電などの機能を薄い本体に収めるため、多種類の金属を組み合わせて作られています。代表的な使用場所は次のとおりです。

主な部品 使われる金属の例 主な分類 主な役割
リチウムイオンバッテリー リチウム、コバルト、ニッケル、マンガンなど レアメタル 電気エネルギーを蓄える
コンデンサ・半導体などの電子部品 タンタル、タングステン、ニッケルなど レアメタル 電圧を安定させる、微細な回路を構成する
ディスプレイ・タッチパネル周辺 インジウムなど レアメタル 透明電極などを構成する
スピーカー・受話口・振動装置など ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジムなど レアアース 小さく強力な磁石を作る
基板・配線・コネクタ 金、銀、銅、パラジウム、スズなど 貴金属・ベースメタルなど 電気信号を伝え、接点の腐食を防ぐ
フレーム・筐体・放熱部品 アルミニウム、鉄、銅、マグネシウム、チタンなど ベースメタル・レアメタルなど 強度を保ち、熱を逃がす

実際の材料や配合は、機種、発売時期、電池の種類、部品メーカーによって異なります。すべてのスマホに同じ金属が同じ量だけ入っているわけではありません。

バッテリーにはコバルト・ニッケル・リチウムなどが使われる

スマホのリチウムイオンバッテリーには、正極材などの材料としてリチウム、コバルト、ニッケル、マンガンなどが使われます。ただし、電池の化学組成は機種によって異なり、すべての電池に同じ金属が含まれるわけではありません。

基板や電子部品にはタンタル・タングステンなどが使われる

タンタルは、小型でも安定した性能を持つコンデンサの材料として利用されます。タングステンやニッケルも、半導体や微細な電子部品などに使われる金属です。使用量は少なくても、スマホの小型化や安定動作を支えています。

ディスプレイ周辺にはインジウムが使われる

インジウムは、酸化インジウムスズ(ITO)などの透明で電気を通す材料に利用されます。ディスプレイやタッチパネル周辺で使われますが、表示方式や部品構成によって材料は異なります。

スピーカーや振動装置にはレアアース磁石が使われる

ネオジムなどを使った高性能磁石は、小さくても強い磁力を得られるため、スピーカー、受話口、振動装置などに適しています。機種によっては、カメラ周辺の小型アクチュエータなどにもレアアースを含む磁石が使われます。

レアメタルとレアアースの違い

レアメタルとレアアースは同じ意味ではありません。レアアースは、レアメタルの一部に含まれる特定の元素群です。

分類 意味 スマホに使われる例
ベースメタル 生産量・使用量が多く、産業の基礎となる金属 鉄、銅、アルミニウムなど
貴金属 希少性や耐食性が高く、資産・工業材料として価値がある金属 金、銀、パラジウムなど
※パラジウムは白金族としてレアメタルにも含まれる
レアメタル 産業上重要で、産出・精製・供給などに制約が生じやすい金属の総称 コバルト、タンタル、タングステン、インジウムなど
レアアース レアメタルの一部である希土類17元素の総称 ネオジム、ジスプロシウム、プラセオジムなど

資源エネルギー庁は、レアメタルの一部である17元素をレアアースと説明しています。(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/tokushu/anzenhosho/koubutsusigen.html)「レア」という名称でも、地球上の存在量が極端に少ない元素だけを指すわけではありません。資源が特定地域に偏っている、分離・精製が難しい、代替しにくいといった事情も重要です。

金や銀も希少で価値の高い金属ですが、一般にはレアメタルではなく貴金属として整理されます。一方、パラジウムのように貴金属でありながら、日本の政策上はレアメタルの対象にも含まれる金属があります。スマホを「レアメタルの塊」と表現することはあっても、内部の金属すべてがレアメタルという意味ではありません。

スマホ1台に含まれる金の量はどれくらい?

スマホに使われる金の量は機種や基板設計によって異なり、現在の全機種に共通する公的な数値はありません。メーカーが機種ごとの含有量を公開していない場合も多いため、「スマホ1台には必ず何グラム入っている」と断定することはできません。

参考として、環境省の2012年版環境白書(https://www.env.go.jp/policy/hakusyo/h24/html/hj12010403.html)では、当時の一般的な携帯電話本体140gに金が約48mg含まれるという推計が紹介されています。これは0.048gに相当しますが、スマホの大型化や部品構成の変化を考えると、現在のスマホすべてへそのまま当てはめられる数値ではありません。

1台分の金を個人で取り出して利益を得られる量ではなく、多数の端末を専門施設でまとめて処理することで、初めて資源として回収しやすくなります。

スマホが「都市鉱山」「宝の山」と呼ばれる理由

都市鉱山とは、社会で使われている製品や使用済み製品に含まれる金属資源を、天然の鉱山になぞらえた考え方です。

小さな本体に多種類の金属が集まっている

スマホ1台に含まれる各金属は少量でも、基板、電池、ディスプレイ、磁石などに多種類の有用金属が集まっています。多くの端末を回収して適切に選別・製錬すれば、金、銀、銅、パラジウムや、電池に含まれる一部の金属などを再び原料として利用できます。

回収されなければ資源として利用できない

使わないスマホを引き出しに保管したままでは、内部の金属も社会で活用されません。回収後にデータを処理し、電池や基板などを分離して、破砕・選別・製錬へつなげることで、初めて都市鉱山の資源として役立ちます。

スマホの金属はすべてリサイクルできる?

回収されたスマホから、すべての金属を同じ割合で取り出せるわけではありません。含有量、素材の組み合わせ、回収技術、処理コストなどによって、再資源化できる金属は異なります。

金・銀・銅・パラジウムなどは再利用されている

モバイル・リサイクル・ネットワークの2024年度実績(https://www.tca.or.jp/mobile-recycle/news/2025/1217.html)では、回収端末に含まれる金、銀、銅、パラジウムなどを素材へ戻して再利用していると公表されています。プラスチックやガラスも処理されていますが、回収方法や事業者によって再資源化の内容は異なります。

微量なレアアースは回収が難しい場合もある

レアアースなどは、部品の中に微量かつ複雑な形で組み込まれています。技術的に分離できても、回収コストや回収後の用途が見合わず、現時点では十分に回収されていない金属もあります。「回収へ出せば、含まれるレアメタルとレアアースを100%取り出せる」という意味ではありません。

使わなくなったスマホを資源として活かす方法

スマホの状態に合った方法を選び、正規の回収ルートへつなげることが大切です。資源を取り出すために、自分で分解する必要はありません。

スマホの状態 主な選択肢 確認すること
正常に使える 買取・下取り・リユース データ移行、アカウント解除、初期化
価値が付かないが初期化できる 自治体の小型家電回収、携帯ショップ、メーカー回収 対象品目、回収条件、データ処理
電源が入らず初期化できない 物理破砕に対応する専門サービス 破砕方法、証明書、回収後の再資源化
膨張・発熱・変形している 自治体、メーカー、対応可能な専門業者へ相談 受け入れ可否、安全な持込・発送方法

正常に操作できる端末は、必要なデータを移行し、Apple AccountやGoogleアカウントなどの連携を解除したうえで、メーカーの正規手順に沿って初期化します。SIMカードやmicroSDカードも忘れずに取り外してください。

電源が入らない、画面を操作できない、処分記録が必要といった場合は、データ記録部分の物理破砕やデータ消去証明書に対応する専門サービスを選ぶ方法があります。

スマホからレアメタルを自分で取り出してはいけない

スマホに価値のある金属が含まれていても、個人で分解・破壊するのは危険です。リチウムイオンバッテリーを曲げる、穴を開ける、強い衝撃を加えると、内部でショートして発熱・発煙・発火するおそれがあります。

また、基板や部品から金属を分離するには、専門的な選別・製錬設備が必要です。家庭用工具で外装を壊しても金属を安全に取り出すことはできず、データを保存する部品も残る可能性があります。端末はそのまま、状態に対応できる回収先へ渡してください。

スマホのレアメタル・レアアースに関するよくある質問

スマホの原料や金属について、特に疑問が多い点へ簡潔に回答します。

スマホのレアメタルはどこに入っていますか?

主にバッテリー、基板、コンデンサなどの電子部品、半導体、ディスプレイ周辺に使われています。具体的には、コバルト、リチウム、タンタル、タングステン、インジウムなどです。

スマホのレアアースはどこに使われていますか?

主にスピーカー、受話口、振動装置などの小型磁石に使われます。代表例はネオジム、ジスプロシウム、プラセオジムです。ただし、使用元素や含有量は機種によって異なります。

スマホに使われている金はレアメタルですか?

金は一般にレアメタルではなく、貴金属に分類されます。基板やコネクタなどで、電気を通しやすく腐食しにくい性質が活かされています。

スマホ1台から取れる金はいくらになりますか?

金の含有量は機種によって異なり、回収には処理費用もかかるため、個人が1台を分解して利益を得られるものではありません。環境省の古い推計では携帯電話1台に約48mgとされていますが、現在のすべてのスマホに共通する量ではありません。

壊れたスマホにもレアメタルは残っていますか?

画面割れや電源故障があっても、バッテリー、基板、磁石などの材料は残っています。ただし、破損状態や処理方法によって回収できる資源は異なります。初期化できない場合は、データ処理にも対応する回収先を選びましょう。

スマホを長く使うことも資源保護になりますか?

はい。修理やバッテリー交換で端末を安全に長く使えれば、新しい端末の製造に必要な資源とエネルギーを抑えられます。使い終えたあとは放置せず、リユースまたは適切な再資源化へつなげることが大切です。

まとめ|スマホのレアメタルを正しい回収ルートで資源に戻そう

スマホには、バッテリーのコバルトやリチウム、電子部品のタンタルやタングステン、ディスプレイ周辺のインジウムなど、多種類のレアメタルが使われています。ネオジムなどのレアアースは、主にスピーカーや振動装置などの磁石材料としてスマホの小型・高性能化を支えています。

一方、金・銀・パラジウムは貴金属、銅・鉄・アルミニウムはベースメタルです。分類は異なっても、いずれも適切に回収すれば再利用できる可能性がある大切な資源です。個人でスマホを分解せず、端末の状態に合った回収先を利用しましょう。

スマホ処分ZAURUSでは、専門スタッフがバッテリーを安全に取り外したうえで、データ記録部分を含む本体を専用シュレッダーで物理破砕します。処理後はデータ消去証明書を発行し、破砕物とバッテリーは専門機関を通じて、パラジウム、銅、コバルト、ニッケルなど回収可能な金属の再資源化へつなげています。

電源が入らない、初期化できない、データを確実に読めない状態にしてから資源として活かしたい場合は、スマホ処分ZAURUSへご相談ください。

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