使わなくなったスマホを、引き出しの中にしまったままにしていませんか。
スマートフォンの内部には、金・銀・銅などの金属に加え、リチウム、コバルト、タンタル、インジウム、ネオジムなど、産業上重要な資源が使われています。1台に含まれる量はわずかでも、多くの端末を集めて適切に処理すれば、新たな製品に使える資源として再利用できます。
都市鉱山とは、都市や社会に蓄積された製品の中に眠る金属資源を、天然の鉱山になぞらえた言葉です。スマホは、小さな本体に多種類の金属が集まっていることから、都市鉱山を象徴する製品の一つとされています。
ただし、スマホを持っているだけで資源が循環するわけではありません。家庭や企業に保管されたままの端末を安全に回収し、データを適切に処理したうえで、分解・選別・製錬などの工程につなげる必要があります。
この記事では、都市鉱山の意味、スマホに含まれる資源、日本で都市鉱山の活用が重要な理由、最新の回収実績、2026年に施行された制度改正、回収されたスマホが再資源化されるまでの流れをわかりやすく解説します。
都市鉱山とは?意味をわかりやすく解説
都市鉱山とは、社会の中で使用されている製品や、使用済みとなって家庭・企業などに蓄積された製品に含まれる金属資源を、天然鉱山になぞらえた概念です。
スマホ、携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機、家電製品、自動車などには、鉄やアルミニウムといった一般的な金属だけでなく、金・銀などの貴金属や、産業上重要なレアメタルも使われています。
これらの製品を回収し、金属を取り出して再利用できれば、地中から新たに採掘する資源への依存を抑えられる可能性があります。そのため、使われなくなった製品が集まる都市や社会全体を、一つの大きな鉱山に見立てて「都市鉱山」と呼びます。
都市鉱山はリサイクルそのものを指す言葉ではない
都市鉱山は、リサイクルという作業自体を指す言葉ではありません。社会に蓄積された金属資源の存在や、その資源を活用できる可能性を表した概念です。
都市鉱山に眠る資源を実際に活かすには、次の工程が必要になります。
- 使わなくなった製品を回収する
- 再使用できるものと、材料として再資源化するものを分ける
- 個人情報を適切に消去する
- 電池や基板などを安全に分離する
- 破砕・選別・製錬によって金属を取り出す
- 回収した金属を新しい製品の原材料として利用する
家庭の引き出しにスマホが保管されたままでは、その中の金属も社会で利用できません。回収ルートにつなげて初めて、都市鉱山は現実の資源として活用されます。
「スマホ都市鉱山」とは?
「スマホ都市鉱山」は法律や制度の正式名称ではなく、家庭や企業に眠る使用済みスマホを都市鉱山として捉える表現です。
スマホには、通信、撮影、表示、音声、振動、充電など多くの機能が詰め込まれています。その機能を実現するため、基板、半導体、ディスプレイ、コンデンサ、磁石、リチウムイオン電池などに多種類の金属が使われています。
小型でありながら資源の種類が多く、国内で大量に利用されていることが、スマホが都市鉱山の代表例とされる理由です。
天然鉱山と都市鉱山の違い
| 比較項目 | 天然鉱山 | 都市鉱山 |
|---|---|---|
| 資源が存在する場所 | 地中の鉱床や鉱石 | 社会に蓄積された製品や使用済み製品 |
| 資源を得る方法 | 採掘・選鉱・製錬 | 回収・分解・破砕・選別・製錬 |
| 主な課題 | 採掘コスト、環境負荷、産地の偏在 | 回収量、データ保護、電池の安全性、分離技術 |
| スマホとの関係 | 製造に必要な金属の供給源 | 使用済みスマホから金属を回収する供給源 |
都市鉱山にも、回収・輸送・分解・製錬のためのエネルギーや費用が必要です。そのため、都市鉱山を活用すれば必ず環境負荷がなくなるわけではありません。効率的な回収と適正な処理を組み合わせることが重要です。
スマホはなぜ都市鉱山と呼ばれるのか
スマホには、一般的な金属、貴金属、レアメタル、レアアースなどが組み合わされて使われています。
産業技術総合研究所のSUREコンソーシアムが示している代表例を基に、スマホの主な部品と金属を整理すると次のようになります。
| 主な部品 | 使用される金属の例 | 主な役割 |
|---|---|---|
| ICチップ・基板 | 金、銀、銅、スズ | 電気信号の伝達や接続 |
| ディスプレイ | インジウムなど | 透明電極や表示機能 |
| 振動モーター・磁石 | ネオジム、ジスプロシウムなど | 小型で強力な磁力を生み出す |
| コンデンサなどの電子部品 | タンタル、パラジウム、ニッケル、マンガンなど | 電気を蓄える、回路を安定させる |
| リチウムイオン電池 | リチウム、コバルトなど | 電気エネルギーを蓄える |
| 本体・筐体 | アルミニウム、鉄、銅など | 強度の確保や放熱 |
実際に使われる材料や含有量は、機種、発売時期、部品構成、電池の種類などによって異なります。また、スマホに含まれている金属が、すべて同じ割合で回収できるわけではありません。
技術的には分離できても、含有量が少ない、処理コストが高い、複数の素材が複雑に組み合わされているなどの理由から、現時点では回収が難しい金属もあります。
金・銀・銅はレアメタルではない
スマホに含まれる金属は、すべてがレアメタルというわけではありません。
- 金・銀・パラジウムなど:貴金属
- 銅・鉄・アルミニウムなど:ベースメタル
- コバルト・タンタル・インジウムなど:レアメタル
- ネオジム・ジスプロシウムなど:レアアース
レアアースは、レアメタルの中でも特定の希土類元素をまとめた呼び方です。スマホでは、スピーカーや振動モーターなどに使われる強力な磁石の材料として利用されます。
スマホに含まれる金属やレアアースの詳しい役割については、以下の記事で解説しています。
合わせて読みたい
都市鉱山の活用が日本にとって重要な理由
日本では、スマホや自動車、半導体、蓄電池などを製造するために多くの金属資源が必要です。一方、国内で採掘できる鉱物資源には限りがあり、多くを海外からの輸入に依存しています。
金属資源の産地や製錬拠点が一部の国・地域に集中すると、国際情勢、輸出規制、災害、物流の混乱、需要増加などによって供給や価格が不安定になる可能性があります。
使用済み製品から金属を回収し、国内で再利用できる仕組みを整えることは、廃棄物を減らすだけでなく、資源の安定確保や経済安全保障の面でも重要です。
資源供給の偏りに備えられる
レアメタルの中には、特定の国や地域に生産・製錬が集中しているものがあります。また、他の鉱物を採掘する際の副産物として得られる金属も多く、その金属だけ需要が増えても、簡単には生産量を増やせない場合があります。
都市鉱山だけで国内需要のすべてをまかなうことは困難ですが、回収量と再資源化量を増やすことで、海外からの供給だけに依存しない選択肢を持つことができます。
日本の都市鉱山は「資源国並み」といわれる
物質・材料研究機構(NIMS)は2008年、日本国内に蓄積された金属資源量を推計し、金は約6,800トン、銀は約6万トンに相当すると公表しました。当時の世界の現有埋蔵量と比較すると、金は約16%、銀は約22%に相当するという推計です。
ただし、この数値は2008年時点の貿易統計や産業連関表などを使って推計した、国内に蓄積された金属の総量です。現在の埋蔵量や、直ちに回収できる金属量を示したものではありません。
製品が現在も使用中である場合や、回収できない場所にある場合、技術的・経済的に分離が難しい場合もあります。「日本には金が6,800トン埋まっており、すぐに採掘できる」という意味ではない点に注意が必要です。
新たな採掘と廃棄物を減らすことにつながる
金属の採掘や製錬では、鉱石の掘削、輸送、破砕、薬品処理などが必要になります。適切なリサイクルによって使用済み製品から金属を回収できれば、新たな天然資源への需要や、廃棄物として処理される量を抑えられる可能性があります。
一方で、回収したスマホを不適切に燃やしたり、設備の整っていない場所で金属を取り出したりすると、環境汚染や健康被害につながるおそれがあります。都市鉱山の活用では、回収量だけでなく、回収後の処理が適正であることも欠かせません。
都市鉱山を活用した代表例「東京2020メダルプロジェクト」
都市鉱山を活用した日本の代表的な取り組みが、「都市鉱山からつくる!みんなのメダルプロジェクト」です。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会では、全国から回収した使用済み携帯電話、パソコン、デジタルカメラ、ゲーム機などの小型家電から金属を取り出し、約5,000個の金・銀・銅メダルが製作されました。
東京都によると、2017年4月から2019年3月までの2年間で、メダルに必要な金属量を100%回収できたとされています。
この取り組みは、1台ではわずかな量しか含まれない金属でも、多くの人が回収に参加すれば、社会で利用できる規模の資源になることを示した事例です。
日本のスマホ回収・リサイクルの最新状況
都市鉱山を活用するためには、使われなくなったスマホを回収する必要があります。しかし、回収台数は必ずしも増加していません。
携帯電話本体の回収台数は約316万台
一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)と一般社団法人電気通信事業者協会(TCA)が公表した、モバイル・リサイクル・ネットワークの令和6年度(2024年度)実績は次のとおりです。
| 項目 | 令和5年度 | 令和6年度 |
|---|---|---|
| 携帯電話本体の回収台数 | 363万3,000台 | 316万4,000台 |
| 電池の回収数 | 382万2,000個 | 354万8,000個 |
| 充電器の回収数 | 61万5,000個 | 93万7,000個 |
| モバイル・リサイクル・ネットワークの回収率 | 9.4% | 7.0% |
| 端末本体のマテリアルリサイクル率 | 73.2% | 71.2% |
令和6年度の本体回収台数は、前年度から約47万台減少しました。
ここで示されている7.0%という回収率は、日本国内に存在するすべての不要スマホを分母にした数値ではありません。モバイル・リサイクル・ネットワーク参加事業者の専売店などで、リサイクル目的に回収した台数を、機種変更数と任意解約数の合計で割った独自の指標です。
そのため、「日本全体のスマホ回収率は7.0%」と単純に言い換えることはできません。一方、業界の回収ルートだけを見ても、家庭や企業に眠るスマホを回収につなげる余地が大きいことがわかります。
小型家電全体の回収量は8万7,363トン
環境省の公表資料によると、令和6年度にリサイクル事業者のもとへ回収された小型家電は8万7,363トンでした。令和5年度の8万6,410トンからは微増していますが、令和5年度までの目標とされていた年間14万トンには届いていません。
この8万7,363トンはスマホだけではなく、自治体や認定事業者などが回収した幅広い小型家電の合計です。携帯電話の回収台数と小型家電全体の回収重量は、対象範囲や集計方法が異なるため、同じ指標として比較しないようにしましょう。
使わないスマホが回収されにくい理由
スマホが回収に出されない理由は、単にリサイクルへの関心が低いからとは限りません。
- 写真や動画など、移行できていないデータが残っている
- 個人情報が漏えいしないか不安がある
- 予備端末、音楽プレーヤー、目覚まし時計などとして利用している
- 思い出の端末として保管している
- 買取や下取りに出せるか判断できない
- 壊れて初期化できず、処分方法がわからない
- 自治体や店舗のどこへ持ち込めばよいかわからない
リユース目的で保管・売却すること自体は、製品を長く使うという点で資源の有効活用につながります。問題は、今後使う予定のない端末が、データへの不安などから長期間放置されることです。
スマホ回収に関係する法律と2026年の制度改正
日本のスマホ回収には、小型家電リサイクル法、資源有効利用促進法、携帯電話事業者による自主回収など、複数の仕組みが関係しています。
小型家電リサイクル法
小型家電リサイクル法は、使用済み小型電子機器などに含まれる有用な金属を再資源化するため、2013年4月に施行されました。
スマートフォンを含む携帯電話端末は、同法の制度対象品目に含まれています。ただし、実際にどの品目を、どの方法で回収するかは自治体によって異なります。
自治体によって、回収ボックス、拠点回収、イベント回収、ステーション回収、清掃施設への持ち込みなど、利用できる方法が異なります。スマホを出す前に、住んでいる自治体の公式サイトで最新ルールを確認してください。
小型家電リサイクル法には、全国一律のスマホ回収料金が定められているわけではありません。無料で回収する自治体もありますが、処分方法や費用は回収ルートによって異なります。
モバイル・リサイクル・ネットワーク
モバイル・リサイクル・ネットワークは、携帯電話事業者などが参加する使用済み携帯電話の自主回収・再資源化の仕組みです。
参加店舗では、スマホ・携帯電話の本体、電池、充電器を無償で回収しています。機種変更や新規契約のタイミングでなくても利用でき、参加店舗では原則としてブランドやメーカーを問わず回収しています。
ただし、店舗によって予約の要否、受付方法、破損・膨張端末への対応などが異なる可能性があります。持ち込む前に店舗へ確認すると安心です。
2026年4月からスマホの自主回収・再資源化制度が強化
2026年4月1日に施行された改正資源有効利用促進法等では、自主回収・再資源化の対象製品に、モバイルバッテリー、スマートフォンなどの携帯電話用装置、加熱式たばこデバイスが追加されました。
対象となる製造事業者・輸入販売事業者に対し、回収目標などを掲げた自主回収・再資源化への取り組みを求めることで、リチウムイオン電池を内蔵した製品の回収体制を強化するものです。
背景には、金属資源の回収だけでなく、廃棄物処理施設や収集車などで発生するリチウムイオン電池の発煙・発火事故を減らす目的もあります。
制度が強化されたからといって、すべての店舗であらゆる状態のスマホを受け取ってもらえるとは限りません。メーカーや販売店が案内する対象製品、受付場所、梱包方法などを確認してください。
回収されたスマホが再資源化されるまでの流れ
スマホの回収方法や処理工程は事業者によって異なりますが、一般的には次のような流れで再使用・再資源化されます。
1.回収と受け入れ確認
自治体、携帯電話会社、メーカー、認定事業者、専門の処分サービスなどが、使用済みスマホを回収します。
端末の種類、破損状態、バッテリーの膨張、付属品の有無などを確認し、施設で安全に処理できるか判断します。
2.リユースできる端末を選別する
正常に動作し、再使用できる端末は、検査、データ消去、整備などを行ったうえで中古端末として再利用される場合があります。
製品をそのまま再使用するリユースは、新しい端末の製造を遅らせ、製品寿命を延ばせる点がメリットです。一方、故障、著しい劣化、セキュリティ上の理由などで再使用が難しい端末は、材料としてのリサイクルへ進みます。
3.データを消去する
スマホには写真、連絡先、メール、アプリ、認証情報などが保存されています。回収後の処理方法に応じて、初期化、専用ソフトによる消去、記憶媒体の物理破壊などが行われます。
正常に操作できるスマホでは、メーカーが案内する方法でアカウントを解除し、工場出荷状態へ初期化するのが一般的です。初期化できない端末や、処理記録が必要な法人端末では、物理破壊やデータ消去証明書に対応するサービスを選ぶ方法があります。
4.電池や部品を分離する
スマホ本体からリチウムイオン電池、基板、ディスプレイ、筐体などを分離します。
リチウムイオン電池に強い圧力をかけたり、穴を開けたりすると発火するおそれがあります。そのため、専門設備と安全管理のもとで処理する必要があります。
5.破砕・選別する
再使用できない本体や部品は、処理施設で破砕されます。その後、磁力、比重、粒度、電気的性質などの違いを利用して、鉄、アルミニウム、銅、基板、プラスチックなどを選別します。
破砕するだけでレアメタルが完成するわけではありません。破砕は、複数の素材を分け、後の製錬工程につなげるための前処理です。
6.製錬して金属を回収する
選別された基板や金属を製錬施設で処理し、金、銀、銅、パラジウムなどを分離・精製します。回収された金属は、電子部品や工業製品などの原材料として再利用されます。
電池についても、設備や処理方式に応じて、コバルト、ニッケル、リチウムなどの回収が進められています。
スマホに含まれるすべての資源を回収できるわけではない
スマホには非常に多くの素材が使われていますが、含有量、分離技術、処理コスト、回収後の需要などによって、実際に回収対象となる金属は異なります。
スマホの薄型化や高性能化によって部品構成も変化するため、リサイクル技術も継続的に見直す必要があります。「スマホを回収すれば、中のレアメタルをすべて取り出せる」とは限らない点を理解しておきましょう。
個人が都市鉱山の活用に参加する方法
個人ができる最も重要な取り組みは、使う予定のないスマホを放置せず、状態に合った適正な回収ルートへ出すことです。
| スマホの状態 | 主な選択肢 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 正常に動作する | 買取、下取り、譲渡、リユース | アカウント解除、初期化、査定条件 |
| 故障しているが初期化できる | 自治体、携帯電話会社、メーカー、認定事業者 | 回収対象、データ消去、受付方法 |
| 電源が入らず初期化できない | データ消去や物理破壊に対応する専門サービス | 処理方法、証明書、再資源化の有無 |
| バッテリーが膨張・破損している | 自治体、メーカー、対応可能な専門事業者へ相談 | 受け入れ可否、安全な持ち込み・発送方法 |
処分前に確認すること
スマホを回収に出す前に、可能な範囲で次の準備を行います。
- 必要な写真、動画、連絡先などをバックアップする
- 認証アプリ、電子マネー、金融アプリなどの移行手続きを確認する
- Apple AccountやGoogleアカウントなどからサインアウトする
- 「探す」機能や端末保護機能を解除する
- メーカーの案内に従って初期化する
- SIMカードやmicroSDカードを取り外す
- 回収先の対象品目とデータ処理方法を確認する
初期化方法やアカウント解除の手順は、OSや機種によって異なります。Apple、Google、端末メーカー、携帯電話会社などの公式情報を確認してください。
スマホの詳しい処分手順については、以下の記事で解説しています。
合わせて読みたい
スマホを自分で分解しない
資源を取り出す目的で、個人がスマホを分解するのは危険です。
スマホのリチウムイオン電池は本体に強く接着されている場合があり、無理に取り外すと変形・短絡・発熱・発煙・発火につながるおそれがあります。金属を個人で取り出しても、得られる量はごくわずかで、専門的な製錬設備がなければ純度の高い資源に戻すことはできません。
本体を曲げる、ハンマーでたたく、穴を開ける、家庭用工具で分解するなどの行為は避け、端末の状態に対応できる回収先へ相談してください。
膨張・発熱・異臭があるスマホは通常の回収ボックスに入れない
バッテリーが膨張している、本体が変形している、異常に熱い、異臭がする、煙が出たなどの症状がある場合は、通常の小型家電回収ボックスへ自己判断で投入しないでください。
使用と充電を中止し、火気や可燃物から離した安全な場所で扱い、自治体、メーカー、携帯電話会社、対応可能な専門事業者へ状態を伝えます。持ち込みや発送をする場合も、必ず回収先が案内する方法に従ってください。
企業がスマホ都市鉱山を活用するために必要なこと
企業では、個人よりも多くのスマホを保有している場合があります。社用スマホをまとめて回収に出せば、資源循環への貢献が期待できる一方、顧客情報、従業員情報、業務データ、認証情報などの漏えい対策が必要です。
企業がスマホを処分する際は、次の点を確認しましょう。
- 端末の機種名、製造番号、IMEI、利用者などを台帳で管理する
- 再使用する端末と廃棄する端末を明確に分ける
- 会社が定めたデータ消去基準に沿って処理する
- 処理を委託する場合は、回収から処理までの管理体制を確認する
- 端末情報と処理結果を照合できるようにする
- 必要に応じてデータ消去証明書や物理破壊証明書を取得する
- 処理後の端末が適正に再使用・再資源化されるか確認する
事業活動で使用したスマホは、家庭から出るスマホと同じ方法で処分できない場合があります。廃棄物として処理する場合は、事業所所在地の自治体や処理事業者に確認してください。
初期化できないスマホも都市鉱山として活かせる
電源が入らない、画面が映らない、タッチ操作ができないなどの理由で初期化できなくても、スマホに含まれる金属資源がなくなるわけではありません。
しかし、データが残っている可能性がある端末を、そのまま売却・譲渡したり、処理方法が不明な回収先へ渡したりすることには不安が残ります。このような場合は、記憶媒体を含めて物理的に破壊し、その後の再資源化まで確認できるサービスを選ぶ方法があります。
スマホ処分ZAURUSは物理破壊と再資源化に対応
スマホ処分ZAURUSでは、スマホ、携帯電話、タブレットを専用のシュレッダーで物理破壊し、処理後にデータ消去証明書をメールで発行しています。
物理破壊後の端末は、バッテリーや本体の破砕物を適切な処理ルートへつなぎ、金属資源の再資源化に取り組んでいます。電源が入らない端末や、画面操作ができず初期化できない端末も相談できます。
バッテリーが膨張・破損しているスマホは、受け入れ条件や安全な発送方法の確認が必要です。自己判断で発送せず、事前に端末の状態を伝えてください。
スマホと都市鉱山に関するよくある質問
都市鉱山は本当に鉱山なのですか?
実際の山や地下鉱床ではありません。都市や社会に蓄積された製品に含まれる金属資源を、天然鉱山になぞらえた表現です。スマホ、パソコン、小型家電、自動車などが代表例です。
日本全体のスマホ回収率は何%ですか?
すべての回収ルートを同じ条件で集計した、単一の全国回収率を示すのは困難です。
モバイル・リサイクル・ネットワークが公表した令和6年度の回収率は7.0%ですが、これは参加事業者の専売店などでリサイクル目的に回収した台数を、機種変更数と任意解約数の合計で割った指標です。自治体回収、メーカー回収、買取、下取り、譲渡などのすべてを含む全国回収率ではありません。
スマホ1台にはどれくらいの金が入っていますか?
金の含有量は機種、基板、部品構成などによって異なるため、すべてのスマホに共通する正確な量はありません。一般に1台から得られる量はごくわずかで、個人が分解して採算の取れる量を回収するのは現実的ではありません。
多数の端末を安全に集め、専門施設で処理することで、初めて資源として利用できる規模になります。
壊れたスマホにも資源価値はありますか?
あります。画面が割れている、電源が入らない、操作できないといった状態でも、基板、筐体、電池などに含まれる金属自体がすべて失われるわけではありません。
ただし、実際にどの資源を回収できるかは、端末の状態と処理施設の設備によって異なります。破損端末に対応する回収先を選びましょう。
スマホは初期化してから回収に出すべきですか?
正常に操作できる場合は、必要なデータをバックアップし、アカウント解除とメーカー指定の初期化を行ってから手放すのが基本です。SIMカードやmicroSDカードも取り外します。
初期化できない場合は、データ消去や記憶媒体の物理破壊に対応する回収先を選んでください。
携帯電話会社の店舗では契約していないスマホも回収してもらえますか?
モバイル・リサイクル・ネットワークの参加店舗では、原則としてブランドやメーカーを問わず、携帯電話本体、電池、充電器を無償回収しています。機種変更時以外でも利用できます。
ただし、受付方法や破損・膨張端末への対応は店舗によって異なる可能性があるため、持ち込む前に確認してください。
スマホを不燃ごみに出してもよいですか?
スマホの分別方法は自治体によって異なります。自治体が不燃ごみなどの区分で明確に回収している場合もありますが、全国共通のルールではありません。
リチウムイオン電池を内蔵したスマホが誤ったごみ区分に混入すると、収集車や処理施設で発火するおそれがあります。自己判断で家庭ごみに混ぜず、自治体の公式ルールを確認してください。
都市鉱山を活かす第一歩はスマホを安全な回収ルートへ出すこと
都市鉱山とは、社会に蓄積されたスマホや小型家電などに含まれる金属資源を、天然鉱山になぞらえた概念です。
スマホには、金・銀・銅などの金属だけでなく、コバルト、タンタル、インジウム、ネオジムなど、産業に欠かせない資源が使われています。しかし、端末が家庭や企業に保管されたままでは、これらの資源を再利用できません。
- 使えるスマホは買取・下取り・譲渡などで長く使う
- 使わないスマホは自治体や携帯電話会社などの回収へ出す
- 処分前にバックアップ、アカウント解除、初期化を行う
- 自分で分解せず、リチウムイオン電池を安全に扱う
- 初期化できない端末は、物理破壊と再資源化に対応するサービスを選ぶ
1台に含まれる金属はわずかでも、多くのスマホが適切な回収ルートにつながれば、大きな資源になります。個人情報とバッテリーの安全性を守りながらスマホを回収に出すことが、都市鉱山を活かすための現実的な第一歩です。




