もう使わないスマホを処分するのではなく、リサイクルしたい人もいるでしょう。スマホをリサイクルすることでそこに含まれている資源を抽出できます。ただ、リサイクルの安全性も気になるところです。特にデータが漏えいしないように細心の注意を払わなければなりません。この記事では、スマホを安心してリサイクルするための方法について解説します。
目次
スマホはリサイクルできる?
結論から言えば、スマホは十分にリサイクル可能です。スマホの本体や充電器にはパラジウムやコバルトといった物質が含まれています。これらは「レアメタル」と呼ばれ、希少な資源として重宝されています。そのほかにも、金、銀、銅といった資源をスマホから抽出できます。こうした資源はスマホのような電子機器の製造に使われるのが一般的です。つまり、スマホのリサイクルが活発に行われれば、新しい資源を採掘するよりも効率的に電子機器を作れるのです。環境への負荷を抑えるという意味でも、スマホのリサイクルには大きな意味があるといえるでしょう。
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情報漏洩に注意!スマホのリサイクルをするときに注意すべきこと
リサイクルショップにスマホを持ち込めば、再利用までの手続きを店舗側がしてくれます。持ち主側で行う作業がなくなるので手軽な方法だといえるでしょう。そのかわり、リサイクルショップにはリスクもあるので要注意です。リサイクルショップでは、スマホを再利用するまでの間、店舗内で保管します。つまり、第三者がスマホに触れられるチャンスができてしまうのです。悪意のある人間がスマホを操作して、個人情報を抜き出す可能性も出てきます。店舗側がどのようなシステムでスマホを管理しているのか、客の立場では見えにくいのも不安なポイントのひとつです。
予期せぬトラブルにならないよう、データを初期化してからリサイクルに出す人は多いでしょう。しかし、初期化しただけではデータが完全に消えるわけではありません。専用ツールがあればデータを復元することも可能です。初期化だけでは、さまざまな連絡先やクレジット情報が漏えいする危険は消えないのです。
スマホをリサイクルするための事前準備
ただスマホをリサイクルショップに持っていくのではなく、事前準備をしてから引き渡しましょう。店舗ごとにセキュリティ対策を施しているとはいえ、より安全にリサイクルするには持ち主の意識も大事です。この段落では、スマホをリサイクルする際の準備について解説します。
データを初期化しておく
原則的にスマホデータの初期化を怠らないようにしましょう。初期化だけでデータを完全に抹消できないとはいえ、この作業が抜けていると簡単に情報漏えいしかねません。初期化してからリサイクルショップに持っていくことでデータが流出するリスクを抑えられます。ただし、古いスマホの充電器を失っている場合は、初期化したくても電源が入らないでしょう。そこで、そのまま物理破壊をするのが好ましいといえます。第三者がスマホを充電して、中身を閲覧する危険を抑えられるからです。
SDカードやSIMカードを抜いておく
スマホで個人情報をバックアップしている装置がSDカードやSIMカードです。たとえば、SIMカードには電話番号や契約者のデータが記録されています。これらのカードを抜き取られてしまうと、個人情報を悪用されかねません。そのため、スマホを解約する際にはSIMカード返却を求められることが一般的になりました。もしも解約したスマホのカードが手元に残っているのであれば、シュレッダーにかけて廃棄しましょう。
ACアダプタなどの不要な付属品も用意しておく
スマホの付属品にも再利用可能なものはあります。ACアダプタなどをもう使わないのであれば、スマホと一緒にリサイクルショップまで持ち込みましょう。スマホと同じ店舗でリサイクルに出せば、新たに処分方法を探す手間を省けます。効率的に、スマホと備品をまとめてリサイクルできます。
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スマホをリサイクルする方法
事前準備が終わったら、実際にスマホをリサイクルしましょう。ただし、リサイクルにはさまざまな方法があります。それぞれの長所と短所を比較したうえで最適な方法を選びましょう。ここからは、スマホの主なリサイクル方法を紹介していきます。
キャリアショップに持ち込む
スマホを販売しているキャリアショップは、スマホと付属品の回収を受け付けています。有名なキャリアであれば全国各地に店舗を置いているので、アクセスもそれほど不便ではありません。通勤や通学、買い物などのついでに立ち寄ってみてもいいでしょう。しかも、キャリアショップはスマホ自体の販売元に関係なく引き取ってくれます。その店舗で契約したわけではないスマホにも対応してくれるので非常に便利です。
一方で、リスク管理という点では確実といいきれないところです。キャリアショップの中で破砕処理がなされるわけではなく、その日が来るまでは店内にスマホが保管されます。もちろん、スタッフによってスマホは厳重に管理されてはいます。しかし万が一、悪意のある人物がスマホに近づいてしまえば情報を抜き取られてしまう可能性が出てくるでしょう。念のために、キャリアショップへと持ち込む前にデータを初期化しておくことが必須です。
家電量販店の回収ボックスに入れる
スーパーや家電量販店には小型家電の回収ボックスが設置されています。こうしたボックスの利用には特別な手続きも必要ありません。店舗に立ち寄った際、使わなくなったスマホを入れるだけでリサイクルがなされます。店員に声をかける手間すらないので気楽な方法でもあるといえるでしょう。なお、回収ボックスの設置場所は自治体のホームページで調べられます。その後でスマホを持っていけば無駄足を運ぶこともありません。
一方で、回収ボックスを使っても情報漏えいの危険は残ります。問題となるのは、リサイクルに出されるまでの時間です。基本的に回収ボックスは誰でも中身を取り出せる構造にはなっていません。店員が中身を確認した後も、破砕作業に出すまで厳重に管理しています。それでも、その間に第三者がスマホを操作してしまえば、データが抜き取られてしまうのです。やはり初期化しておくのは不可欠でしょう。
スマホ処分の専門業者に依頼する
「自分で破砕を行えば安全だ」という考え方もあります。店舗で人目に触れることなく、自分自身でスマホが破壊されるのを見届けられるからです。しかし、スマホのデータを復元できない状態にするには「基盤」と呼ばれるパーツをしっかり壊さなくてはなりません。その位置や形状を知っていないと破砕作業は手間となります。また、スマホにはリチウムイオンバッテリーが内蔵されており、電力を供給しています。このバッテリーを急に破砕すると、電気が漏れて火災や爆発が起こることもありえるのです。
こうした危険を避けるために、キャリアショップやスーパーであってもリサイクル業者に破砕処理を任せています。リサイクル業者なら専門の設備があるので、安全に破砕を進められます。店舗側の負担もかかりません。そのかわり、リサイクル業者に送るまでの時間ができるため、データ流出の危険性が生まれてしまうのです。
「安全性は確保しつつ、しっかりスマホが破砕されるのを見たい」というなら、スマホ専門の処分業者がおすすめです。こうした業者は依頼人の目の前で作業を行うので情報漏えいの危険がありません。そのうえ、危険な作業を持ち主自身が行う必要もなくなります。
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安心・安全にスマホをリサイクルしたいなら専門業者へ
キャリアショップやリサイクルボックス、専門業者などで古いスマホの回収を行っています。これらの店舗、業者からリサイクルの手続きを進めてもらうことも可能です。より安心にリサイクルしたいなら「ZAURUS」にスマホを持ち込んでみましょう。ZAURUSではスマホシュレッダーによって、持ち主の目の前で確実に製品を破砕してくれます。